作業着の汚れは一般的な衣服と違い、なかなか落ちないもの。それは油汚れが繊維に絡みついているからです。しかし、落とし方や洗剤を今までとは変えるだけで見違えるほど奇麗になります。
とは言え、洗剤の選び方やおすすめの洗剤がわからないと困る方もいるでしょう。
ここでは作業着についた汚れの種類やその落とし方、洗剤の種類などを紹介します。汚れがどのタイプなのかを見極め、最適な洗剤を使って洗うようにしましょう。
作業服についた汚れが簡単に落ちない理由
作業服の汚れが他の衣服と違ってなかなか落ちないのは、繊維に油汚れが絡まってしまっているからです。
衣服は細かい繊維が複雑に絡み合って成り立ちますが、そこに機械油が絡むと汚れの分解が困難になります。さらに油は水とは混ざり合わないため、洗濯時に使う冷たい水では洗い流すことも難しいのです。
また、汚れの種類によって使うべき洗剤の種類も変わります。それを家庭用の洗濯洗剤ひとつで何とかしようとするのは無理というものでしょう。
汚れがしみこんだ作業服を奇麗にするためには、まずは予洗いやつけ置きで大体の汚れを落としておくこと。そして汚れにあった洗剤を使って洗うことが大切です。手間はかかりますが、驚くほど奇麗になるのでやってみてください。
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作業服につく汚れの種類
まずは作業服につく汚れの種類を確認しましょう。どんな汚れがついているかを理解することで、使うべき洗剤が分かります。仕事の種類によって代表的な汚れは変わるため、まずはご自身の作業服の汚れを突き止めることから始めてください。
作業服の代表的な汚れは次の4つです。
- 油汚れ
- 泥汚れ
- 鉄さび汚れ
- 汗のニオイ
汚れ①油汚れ
油汚れには、油脂、分泌皮脂、外気の油煙、機械油などがあります。
工場や農作業などで使用する機械についている油や、飲食店でついてしまう食用油などです。油汚れがつくときにはニオイも一緒についてしまうことが多いうえ、油がシミになれば普通に洗濯しただけでは到底落ちません。
落ちていない状態で諦めてしまうと作業服はどんどん黒ずみ、長くはもたないでしょう。ニオイもつくため、早めの対処が必要です。
汚れ②泥汚れ
土木や建築現場、農作業などでつく頑固な汚れの代表が泥汚れです。泥汚れの特徴は、水で流してもごしごしと洗っても奇麗になりにくいこと。むしろこすればこするほど、細かい泥の粒が衣服の繊維に入ってしまい、さらに汚れが広がります。
泥汚れの場合、最初にすべきことは乾燥させることです。乾燥させた泥をできるだけ叩き落したあと洗剤でつけ置きをし、それから洗濯機で洗ってください。
汚れ③鉄さび汚れ
錆びた鉄に作業服が触れるとついてしまうのが鉄さび汚れです。他にも、作業場の鉄製金属から発生した鉄粉が作業服につくこともあります。
一般的な洗剤では錆びが落ちないため、クエン酸や重曹などを使った専用の洗剤を使うようにしましょう。重要なのは、まず錆びを浮かせて除去してから洗濯することです。
汚れ④汗のニオイ
作業服についた汗のニオイは目では見えません。しかし洗濯によりしっかりと汗や皮脂を取らないと、それを餌にして細菌が繁殖します。その結果、黄ばみになるのです。
皮脂などを確実に落とすためアルカリ性の消臭効果が強い洗剤を使い、その後しっかり乾燥させることで解決します。
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作業服の汚れを落とす際のポイント
作業服の頑固な汚れを落とすには、ちょっとした工夫と手間が必要です。それぞれの汚れに合わせたポイントをみていきましょう。
ポイント①油汚れの場合
油汚れは酸性です。そのため、汚れを落とすときにはアルカリ性洗剤を使うことがポイント。お湯にアルカリ洗剤を溶かし、しばらくつけておいて汚れを浮かしましょう。
お湯はぬるければぬるいほど汚れが落ちなくなります。50〜60度くらいの、手をつけても火傷をしない程度の温度にして、洗剤を溶かしてから作業服をつけてください。
1時間ほど放置したらブラシなどで作業服をこすりましょう。汚れが浮き出てお湯が黒くなるはずです。
汚れを浮かせて落としたら、洗濯機で通常通り洗います。
汚れが機械系油である場合は、アルカリ洗剤と共に酸素系漂白剤も使うことがおすすめです。ふたつの洗剤を溶かしたお湯に30分つけ置きすることで、汚れが落ちやすくなります。
ポイント②泥汚れの場合
泥汚れはとても頑固。水にも油にも溶けない性質であるため、水でごしごし洗うと汚れが落ちないどころか返って広げてしまうことになります。
まずは、泥汚れをしっかりと乾かすことが大切です。乾いたらパンパンと手で叩き、できるだけ土や泥を落としましょう。田んぼ作業でついた泥汚れをそのまま石鹸などで洗い流そうとすると、泥で衣服が染まってしまうため、注意してください。洗濯前に乾燥させて叩き落すという行動が必要です。
ある程度泥が落とせたら、汚れが目立つ部分に液体洗剤や固形石鹸などを直塗りします。そしてその部分を洗濯ブラシでこすり、その後はじめて水で軽く洗い流しましょう。
40度くらいのぬるま湯を用意して洗剤を溶かし、作業服をつけて一晩放置します。このとき、色物衣類であれば時間を短めに、3時間程度を目安にしてください。
翌朝、通常通り洗濯機で洗います。付け置きが長くなることは、汗のニオイ対策にもなって便利です。
ポイント③鉄さび汚れの場合
製鉄所などにお勤めの方は、作業服が鉄さび汚れで困ることが多いでしょう。鉄さび汚れは通常通りの洗濯では落ちません。
まずはクエン酸を使った方法です。クエン酸は酸性で、錆びた金属から酸素を切り離す作用があります。そのため、雑巾にクエン酸をつけて汚れた部分を覆ってみてください。もしくはクエン酸をお湯にとかしてつけるという方法もあります。
しばらく待つと錆びが浮き出てくるので、それをブラシでこすりましょう。
アルカリ性の重曹でも汚れを落とせます。重曹大匙2杯と水を大匙1杯で混ぜ、マヨネーズのようなペーストを作ってください。それを汚れた部分に塗って30分ほど放置します。その後、ブラシでこすれば汚れが取れます。
クエン酸や重曹で汚れを衣服から抜き取ったあとは、通常通りに洗濯機で洗いましょう。
ポイント④汗のニオイの場合
作業服についたニオイを取るときには、作業服の洗濯順序が大切です。
まずすべきことは作業服表面にある汚れを取ること。油汚れや泥汚れ、シミなどを取り除き、そのうえでニオイの元になるたんぱく質や水溶性の汚れを落とす必要があります。この順番を逆にすると、汚れが生地に残ってニオイやシミの原因になるからです。
作業服の表面汚れをしっかりと落とせたら、通常通りの洗濯で構いません。洗濯では濯ぎも脱水も二回ずつ行い、しっかり早目に乾燥させましょう。
作業服の汚れを落とす際におすすめの洗剤の種類
作業服用にはそれに合う洗剤を使うことが近道です。ここでは作業服の汚れを落とす洗剤の種類についてみていきましょう。
- 低泡性の洗剤
- 作業服専用洗剤
- 酸素系漂白剤
- 食器用洗剤
低泡性の洗剤
低泡性の洗剤は、泡立ちを抑えた洗剤のことです。
自宅でお使いの洗濯機がドラム式である場合、泡が立ちすぎると洗浄力が弱くなってしまいます。
その理由は、ドラム式洗濯機は洗濯物を落とした衝撃で汚れを落とす、叩き洗いという手法を使っているから。洗濯物を落としたときに泡が立っていたら、衝撃が吸収されて汚れが落ちにくくなるのです。
作業服ではなく普通の服であっても汚れ落ちがあまり良くない場合には、一度洗剤が低泡性かどうかを確認してみましょう。
作業服専用洗剤
作業服専用洗剤はその名の通り、作業服についた頑固な汚れを落とすための強力な洗浄力を誇る洗剤です。機械油によるべったりした汚れや皮脂汚れなど、落としにくい汚れで有名なものもスッキリと落とせます。
ただしお湯でつけ置きすることを念頭に作られているものであるため、使用前に使用方法を必ず確認して使いましょう。せっかく使ったのに思ったよりも汚れが落ちていないというときには、使用方法が間違っているもしくは足りない可能性があります。
酸素系漂白剤
人の脂での汚れは、放置すると黄ばみや黒ずみになります。人の汗や皮脂が酸素と結合して酸化し、頑固な汚れになるのです。
皮脂汚れは酸性のため、アルカリ性の洗剤を用意して中和しなければなりません。さらに最も効果的なのが、酸素系漂白剤です。
酸素系漂白剤は漂白力が穏やかであるため、色柄物にも使用可能。ツンとしたきついニオイもないため、洗剤のニオイに弱いという方にもおすすめです。より効果を出すためには、お湯に溶かして洗濯物をつけ置きしましょう。
粉末と液体の2つのタイプがあり、粉末タイプの主成分は「過炭酸ナトリウム」です。液体タイプの主成分は「過酸化水素」で粉末タイプに比べると弱酸性となり、油汚れには向きません。
除菌や消臭効果も高いのは粉末タイプなので、作業服にはぴったりでしょう。
食器用洗剤
食器用洗剤は一般的に中性の洗剤で、使用目的は食器や調理器具についた油汚れを落とすためです。中には手肌を痛めないよう、弱酸性のタイプも販売されています。
特徴は界面活性剤の濃度が洗濯洗剤よりも高いことと、泡立ちが良いこと。服についた食事の汚れはもちろん食器用洗剤で落とせますが、部分洗いで使わねばなりません。
また、食器用洗剤には柔軟剤が入っていないため、服の素材を痛めることがあるという点も覚えておいてください。
洗濯槽が油で汚れた際の対処法
基本的に作業服を洗うときには他の洗濯ものとは分けて洗い、さらに予洗いやつけ置きをする必要があります。それは油汚れや泥汚れ、鉄さび汚れなどで洗濯槽そのものが汚れてしまうのを防ぐ意味からです。
しかしもしも作業服をそのまま洗濯機に入れて洗ってしまったという場合には、洗濯槽についてしまった油汚れなどを掃除しましょう。
洗濯槽は酸素系漂白剤を使えば奇麗にできます。以下の通り、やってみてください。
- 40~50℃のお湯を最高水位まで入れる
- お湯10Lに対して100gの酸素系漂白剤を入れて溶かす
- 洗濯機を5分ほど回して汚れをはがす
- 一度止めて2時間程度つけ置きする
- 再度5分程度洗濯機を回す
- 浮いているゴミをネットなどですくい取る
- すすぎと脱水をする
洗濯コースは標準コースで大丈夫ですが、洗浄コースや念入りコースがあればさらに効果的です。
洗濯槽の汚れを防ぐ方法
前述した通り、汚れた作業服をそのまま洗濯機に入れることをやめれば洗濯槽が汚れにくくなります。
汚れた作業服は必ず予洗いや洗剤を溶かしたお湯でのつけ置きをし、汚れをある程度取り去ってから洗濯機に入れるようにしましょう。
また、新しく作業服を買うときには、「汚れがつきにくい」「汚れが落ちやすい」そして「汚れがしみこみにくい」といった加工がされている商品を買うこともおすすめです。
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不快なニオイやカビを防ぐ!作業着をはやく乾かすポイント
濡れた衣服というのは、どうしても臭くなります。半乾きではカビが発生することもあるため、作業服は洗濯後にしっかり乾かさなければなりません。
しかし作業服は一般的な衣服よりも厚い生地で作られていることが多く、中々乾かないと困っている人もいるでしょう。
以下が作業服を早く乾かすコツです。
- 水分はできる限り取る
- 干すときに裏返しにする
- 逆さにして干す
- 布団乾燥機などを使う
作業服を乾かすコツ①水分はできる限り取る
洗濯ものの水分をできる限り取っておくと、当然ながら洗濯物の乾きは早くなります。そのため行うべきは徹底した脱水です。
一度洗濯が終わったら作業服を取り出して、軽く畳んで再度洗濯機へ入れましょう。もう一度脱水をすれば、分厚い作業服でもしっかり水を取れます。
作業服を乾かすコツ②干すときに裏返しにする
作業服にはいろいろな種類がありますが、中でもつなぎと呼ばれるタイプの作業服は、ポケットの部分や縫い目の部分がより厚手に作られています。そのため、そこの辺りは乾きにくいポイント。
スムーズに乾かすため、裏返して干すようにしましょう。厚手になった部分に風や太陽光が当たりやすくなり、より早く乾きます。
作業服を乾かすコツ③逆さにして干す
上下を逆さまにして干すのもポイントです。クリップ付きハンガーを用意し、足の部分をクリップで止めます。そして逆さにして足部分から中に風が通るようにしてください。
特に風が強い日でなくとも、乾きが早くなります。
作業服を乾かすコツ④布団乾燥機などを使う
替えの作業服がなくて早く乾かしたいというときには、裏技を使って乾燥時間を短縮させましょう。
用意するのはエアロダクトと布団乾燥機、クリップ付きズボンハンガーです。
クリップハンガーで足の部分を止めたら、中にエアロダクトを通します。そこに布団乾燥機をつないで電源をオン、温風を通せば、かなり早く乾燥が完了するのです。
エアロダクトや布団乾燥機は便利なため、もし持っていなければ購入を検討してみてください。
作業服の洗濯は汚れ別に洗剤を変えよう!
作業服の汚れがなかなか取れない場合、汚れの種類と洗剤の種類が合っていない可能性が高いでしょう。まずは作業服の汚れの種類を見極め、それに合った洗剤を使ってみてください。
また、洗濯機を汚したり壊したりしないためにも、作業服は予洗いやつけ置きが必須です。汚れた作業服をそのまま洗濯機に入れてしまえば、洗濯槽が汚れて他の洗濯ものにも影響しますので注意しましょう。
作業服をできるだけ傷めず奇麗にするためには、洗濯の下準備が必要です。作業工程は多くなりますが、手間を惜しまずやってみてください。今までは落ちなかった汚れも奇麗に落ちてくれること、間違いなしです。
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