作業着に必要な機能性やおすすめのブランドを紹介

実は、現代の作業着は、私たちが想像する以上に目覚ましい進化を遂げています。それは、もはや単なる「作業用の服」ではありません。静電気から精密機器を守る、あるいは夜間の視認性を高めて命を守る、さらには夏の暑さや冬の寒さから働く人々を快適に保つ。そうした、多様な「機能性」を備えた、ハイテクなものへと進化しています。

ご自身の、あるいは従業員の皆様の働く環境に、本当に適した機能性を持つ作業着を選ぶことは、日々の業務の安全性を確保し、生産性を向上させます。

また、そして働くことへのモチベーションを高めるための投資でもあります。

この記事では、そんな作業着が持つ「機能性」に焦点を当て、その重要性から、多種多様な機能の種類、そして働く環境に合わせた最適な選び方まで、ユニフォームのプロが徹底的に解説していきます。

作業着を着用する理由

そもそも、なぜ多くの職場で、専用の作業着を着用することが求められるのでしょうか。その理由を改めて考えてみると、作業着が持つ、3つの重要な役割が見えてきます。 

作業中の安全を守るため

作業着の最も重要な役割は、働く人々の体を、様々な危険から守ることです。建設現場では、釘や鉄骨との接触による怪我を防ぐため、丈夫な生地が求められます。火や熱を扱う工場では、火傷を防ぐための防炎機能が不可欠です。

また、精密機械を扱う現場では、静電気による製品の故障を防ぐための帯電防止機能が必要になります。このように、作業着は、それぞれの職場に潜む特有のリスクを軽減し、従業員が安全に業務を遂行するための「プロテクター」としての、第一の役割を担っているのです。 

作業を効率的に行うため

優れた作業着は、業務の生産性を大きく向上させます。

例えば、体の動きを妨げないストレッチ性の高い素材は、作業の効率を高め、身体的な疲労を軽減します。また、夏場には、通気性が良く、涼しさを保つ素材が、熱中症を防ぎ、集中力の低下を防ぎます。ポケットの配置や数も、作業効率に影響する重要な要素です。道具をスムーズに出し入れできる、機能的に配置されたポケットは、作業の無駄な動きを減らしてくれます。

作業着は、従業員のパフォーマンスを最大限に引き出すための「ツール」でもあるのです。 

所属意識を高めるため

全員が同じデザインの作業着を着用することで、従業員間に一体感が生まれ、チームとしての一員であるという「所属意識」や「連帯感」が高まります。

これは、チームワークの向上や、組織全体のモチベーションアップに繋がります。また、会社のロゴや名前が入ったオリジナルの作業着は、社外の人々に対して、「あの会社の従業員だ」ということを示す、いわば「歩く広告塔」としての役割も果たします。企業のブランディングや、社会的信用の向上にも貢献する、重要なユニフォームなのです。

作業着に必要な機能性を選ぶためのポイント

多種多様な機能性の中から、自社に最適なものを選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

以下のチェックポイントを参考に、必要な機能を整理してみましょう。

  • どのような環境で作業するのか?(屋内、屋外、高温、低温など)
  • どのような危険が潜んでいるか?(火、電気、薬品、暗所など)
  • どのような動きをするのか?(屈伸、腕の上げ下げなど)
  • どのような季節に着用するのか?(夏、冬、通年)
  • 企業として、どのようなイメージを訴求したいか?(信頼感、先進性、清潔感など)

これらの問いに答えていくことで、漠然としていたニーズが明確になり、自社にとって本当に必要な機能性が見えてきます。

作業着に備わっている機能性の種類

では、現代の作業着には、具体的にどのような機能性があるのでしょうか。ここでは、代表的な9つの機能について、その特徴と役割を解説します。 

帯電防止機能

静電気の発生を抑え、体に溜まった電気を逃がす機能です。電子部品などを扱う精密機械工場や、ガソリンスタンド、化学薬品工場といった、静電気が製品の故障や、火災・爆発の原因となる可能性がある職場で、絶対に不可欠な機能です。JIS T8118という、静電気帯電防止作業服の国家規格に適合している製品を選ぶのが、安全性の面で最も確実です。 

高視認・反射機能

夜間や、薄暗い場所での作業において、車のヘッドライトなどの光を反射し、着用者の存在を周囲に強く知らせる機能です。道路工事や、鉄道工事、空港の地上作業、警備業など、車両との接触事故のリスクがある職場で、作業者の命を守るために極めて重要です。こちらも、JIS T8127(高視認性安全服)という規格があり、その安全レベルに応じてクラスが分かれています。 

制菌機能

繊維上の特定の細菌の増殖を抑制する機能です。病院や介護施設、食品工場といった、高度な衛生管理が求められる職場で、院内感染の防止や、食中毒のリスクを低減させるために役立ちます。汗の臭いの原因となる菌の増殖も抑えるため、衛生面だけでなく、エチケットの観点からも有効な機能といえます。 

防汚・防しわ機能

生地の表面に特殊な加工を施すことで、油や泥といった汚れが付着しにくく、また、付着しても簡単に落とせるようにした機能です。自動車整備工場や、建設現場、清掃業など、衣服が汚れやすい職場で、作業着を常に清潔な状態に保つのに役立ちます。また、洗濯後のシワができにくい防しわ機能は、日々のメンテナンスの手間を軽減してくれます。 

撥水・防水機能

生地の表面で水を弾く「撥水機能」と、生地の内部に水が浸透するのを防ぐ「防水機能」です。屋外での作業や、水を使う清掃業などで、雨や水しぶきから体を守り、体温の低下や不快感を防ぎます。防水機能に加え、衣服内の湿気を外に逃がす「透湿性」を併せ持った素材(ゴアテックスなど)は、雨天時でも蒸れにくく、快適な着心地を保ちます。 

防炎機能

火や熱に強く、簡単には燃え広がらないように作られた素材の機能です。自己消火性を持ち、火の粉が触れても穴が開きにくいのが特徴です。溶接作業や、鉄工所、鋳物工場といった、火花や高温の物質が飛び散る可能性のある、極めて危険な職場で、作業者を火傷から守るための必須機能です。綿100%の素材や、難燃性のアクリル系繊維などが用いられます。 

防寒(蓄熱・保温)機能

冬場の屋外作業や、冷凍倉庫内での作業など、低温環境下で体の熱が奪われるのを防ぐ機能です。体から発する熱を逃がさない「保温性」や、太陽光などを熱に変換して蓄える「蓄熱性」を持つ素材が使われます。裏地にフリースやアルミプリントを施した製品などがあり、厳しい寒さの中でも、作業者の体温とパフォーマンスを維持します。

ストレッチ素材

ポリウレタンなどの伸縮性の高い繊維を織り込むことで、生地自体が伸び縮みする機能です。建設現場での屈伸運動や、運送業での荷物の積み下ろしなど、体の動きが大きい作業において、衣服による突っ張り感をなくし、ストレスのないスムーズな動きをサポートします。作業効率の向上と、身体的な疲労の軽減に、直接的に貢献する機能です。 

ポケットなし(異物混入対策)

これは、機能を追加するのではなく、あえて「なくす」ことで安全性を高めるという逆転の発想です。食品工場や、精密機械工場など、製品への異物混入が絶対に許されない職場では、ポケットからの私物や、ボタン・糸くずなどの落下を防ぐため、ポケットや装飾が一切ない、シンプルなデザインの作業着が採用されます。これは、HACCPなどの衛生管理基準に対応するための、重要な仕様です。

【環境別】作業服に必要な機能性

では、実際の職場環境に合わせて、どのような機能性を組み合わせれば良いのでしょうか。代表的な6つの現場を例に、最適な機能性の組み合わせをご紹介します。 

溶接や鉄工など火や熱を扱う現場の場合

火花や高温の金属が飛び散る、非常に危険な環境です。最優先すべきは、体を火傷から守る「防炎機能」です。綿100%や、難燃性素材で作られた、厚手の作業着が必須となります。また、万が一の際に、すぐに脱ぐことができるよう、ジッパーではなくボタンタイプのものが推奨されることもあります。

精密機械を扱う現場の場合

わずかな静電気でも、製品の電子回路を破壊してしまう可能性があるため、「帯電防止機能」が絶対に不可欠です。JIS T8118規格に適合した製品を選ぶことで、静電気の発生を抑え、製品の品質を守ります。また、製品にホコリを付着させないための、低発塵性の素材も求められます。 

飲食店・食品加工現場の場合

最も重視されるのは、食の安全を守るための「衛生管理」です。製品への異物混入を防ぐための「ポケットなし」仕様や、体毛の落下を防ぐためのインナーネット付きの帽子などが基本となります。また、細菌の増殖を抑える「制菌機能」や、食中毒の原因菌に対応した、O-157対応の作業着なども有効です。

夜間の道路工事現場の場合

夜間の暗闇の中で、走行してくる車両から、作業者の存在をいち早く認識してもらうことが、命を守る上で最重要課題です。そのため、蛍光色の生地と、高性能な反射材を使用した、「高視認・反射機能」を持つ作業着(JIS T8127適合品)の着用が必須となります。 

屋外で作業する現場の場合

季節や天候によって、求められる機能性が変わってきます。夏場は、熱中症対策として「通気性」「吸汗速乾性」「接触冷感」、そして「UVカット機能」が重要です。冬場は、「防寒(保温・蓄熱)機能」や「防風性」が求められます。また、雨天時の作業には、「撥水・防水機能」と「透湿性」を兼ね備えたウェアが不可欠です。

暑い中でも長袖を着なければならない現場の場合

怪我の防止や、衛生上の理由から、真夏でも長袖の着用が義務付けられている職場は少なくありません。こうした環境では、ファン付きの「空調服」が、熱中症対策の切り札となります。また、インナーとして、ひんやりとした着心地の「接触冷感」機能と、汗を素早く乾かす「吸汗速乾」機能を備えた、高機能なコンプレッションウェアを着用することも、快適性を保つ上で非常に効果的です。

機能性に優れた作業服のおすすめブランド

ここでは、プロの現場で高く評価され、多くのワーカーから支持されている、機能性に優れた代表的な作業服ブランドを4つ、ご紹介します。

バートル

近年、特に若い世代から絶大な人気を誇るのが「バートル」です。作業着の既成概念を覆す、スタイリッシュで洗練されたデザインが最大の特徴です。細身のシルエットでありながら、動きやすさも確保されており、「かっこよく働きたい」というニーズに応えてくれます。

デザイン性だけでなく、機能性も非常に高く、特に夏場の空調服「エアークラフト」シリーズは、業界を牽引するトップブランドとして知られています。

TS DESIGN

「TS DESIGN」は、スポーツウェアの要素を作業着にいち早く取り入れた、機能性重視のブランドです。独自に開発した高機能素材や、先進的な技術を積極的に採用し、あらゆる環境に対応する、プロ仕様のウェアを数多く展開しています。

特に、ストレッチ性や、軽量性、そしてオールシーズン対応のハイブリッドな製品群には定評があり、動きやすさと快適性を追求するワーカーから、熱い支持を集めています。

ミドリ安全

その名の通り、「安全」を何よりも最優先に考える、作業服・安全靴のリーディングカンパニーです。JIS規格に適合した、帯電防止作業服や、高視認性安全服といった、プロユースの製品群は、他の追随を許さないほどの高い信頼性を誇ります。

デザインは質実剛健なものが多いですが、働く人の命を守るという、作業服の原点ともいえる思想が、製品の隅々にまで貫かれています。安全性が第一に求められる、過酷な現場で働く方々にとって、最も信頼できるブランドの一つです。

アイトス

「アイトス」は、作業服から、医療・介護ユニフォーム、サービス業の制服まで、あらゆる「働く服」を網羅する、総合ユニフォームメーカーです。その最大の魅力は、圧倒的な商品ラインナップの豊富さと、幅広いニーズに応える対応力です。機能性とコストパフォーマンスのバランスに優れた製品が多く、企業のユニフォームとして、まとめて導入する際の有力な選択肢となります。

作業着の機能性は安全性と効率性の担保に必要不可欠

もはや、作業着は、ただ汚れても良い服ではありません。それは、働く人々が、最高のパフォーマンスを発揮するための、最も身近で、そして最も信頼できる「パートナー」なのです。

ご自身の、そして大切な従業員の皆様の体を守り、日々の仕事をより安全で、快適なものにするために、機能性を備えた作業着は欠かせないものです。

本記事を参考に、仕事のパフォーマンスを高めてくれる最高の作業着を探してみてください。

スズキ繊維が運営する制服専科は、創業50年の確かな実績を持ち、暑い夏に活躍する空調服を多数取り扱っています。
当店では、かっこいい・おしゃれな作業着の通販ページで素敵な商品を豊富に取り揃えていますので、見た目にこだわって選びたいと考えている方は、ぜひ制服専科をご利用ください。

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